近年、ドジャースの大谷翔平選手や山本由伸選手、カブスの鈴木誠也選手や今永昇太選手、パドレスのダルビッシュ有選手や、レッドソックスの吉田正尚選手など数多くの日本人がメジャーリーグで大活躍されています。
彼らがメジャーリーグへ挑戦するためにはMLB(メジャーリーグのこと)とNPB(日本のプロ野球のこと)が双方で双方の細かな契約が必要となり、誰しもがメジャーリーグへ挑戦できるわけではありません。
今回は、いくつか存在する日本の野球選手がメジャーリーグへ挑戦する際の契約方法について解説していきます!
日本人がメジャーリーグへ移籍するための方法
方法1:海外FA権を取得する
まず1つ目の方法として、海外FA権を取得する方法があります。ちなみにFA権には国内FA権も存在しますが、本記事では海外FA権のみ解説します。
海外FA権を取得するためには、145日を1年として、一軍に出場選手登録された日数が累計9年経過すると取得できます。
145日に満たないシーズンがある場合はそれらのシーズンの出場選手登録された日数を全て合算し、145日に達したら1シーズンとして計上されます。
高校卒業直後にプロ野球選手となって一年目から一軍で9年間プレーできた場合、海外FA権を取得できるのは27歳となります。
しかし、怪我や不調などにより2軍で調整する期間が発生することがほとんどのため、海外FA権を取得できるのは、現実的には30歳近くとなり、アスリートとしてのピークは過ぎていることが多く、そこからの海外挑戦はリスクが高いのも事実です。
海外FA権を取得してメジャーリーグへ移籍した選手
以下に海外FA権を行使した、代表的な選手をリストアップしてみました!
- 新庄剛志
- 田口壮
- 松井秀喜
- 高津臣吾
- 松井稼頭央
- 城島健司
- 上原浩治
- 中島裕之
- 川崎宗則
- 秋山翔吾
方法2:ポスティングシステムを利用する
海外FA権を取得するには長い年数が必要となるため、若い段階でメジャーリーグへ挑戦したい選手は、ポスティングシステムを利用します。
ポスティングシステムとは、海外FA権を取得していない選手がメジャーリーグへ挑戦したい場合、所属している球団がそれを認めた場合、選手をメジャーリーグの球団へ渡す対価として移籍先のメジャーリーグの球団から譲渡金を受け取る制度のことです。
そのため、ポスティングシステムは選手が所属している球団の許可がないと使用できないことから、誰もが使える制度ではありません。
ポスティングシステムを利用してメジャーリーグへ移籍した選手
以下にポスティングシステムを利用した、代表的な選手をリストアップしてみました!
- 田中将大
- イチロー
- 松坂大輔
- ダルビッシュ有
- 大谷翔平
- 山本由伸
方法3:自由契約となる
自由契約とは、選手が特定の球団に所属していない状態となった後で、メジャーリーグの球団と個人的に交渉して契約する方法です。
しかし、若い選手を自由契約にしてメジャーリーグと契約を結んでも、日本の球団には何のメリットもなく、現在ではほぼ使われない方法です。
過去に大家友和さんが23歳の若さで自由契約を結びメジャーリーグへ挑戦されました。
ポスティングシステムが成立するまでの流れ
ポスティングシステムを利用してメジャーリーグへ移籍するまでの流れは以下のようになっています。
- 選手が所属している球団がポスティングシステムの使用を認める
- 所属球団がメジャーリーグへ申請する
- 選手を獲得したいメジャーリーグの球団が契約内容を提示し、選手と交渉を開始する
- メジャーリーグの球団と選手自身とで契約が成立する
- メジャーリーグの球団が日本の所属チームへ譲渡金を支払う
譲渡金とは?いくら球団に支払われる?
譲渡金とは、日本の球団が選手をメジャーリーグの球団へ渡す対価として受け取るお金のことで、譲渡金額は、契約金の総額に対する割合で決まります。
- 契約金の総額が2500万ドル以下の場合:20%が譲渡金として球団へ
- 契約金の総額が2500万〜5000万ドルの場合→17.5%が譲渡金として球団へ
- 契約金の総額が5000万ドル以上の場合→15%が譲渡金として球団へ
例えば大谷翔平選手の場合、ドジャースとの契約金は7億ドルでした。
そのため、
7億ドル×15%=1億500万ドル
という計算になり、約150億円前後の金額が日本ハムファイターズに譲渡金として支払われたことになります!
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